【英語】発音・アクセントの記号入門

英語における発音・アクセントの記号入門について入門者向けにまとめました。

【はじめに】発音・アクセントのポイント

【母音】

日本語の母音は「アイウエオ」5つですが、英語の母音は24以上あるといわれており、これが英語と日本語の大きな違いです。ここでは代表的な母音を解説します。

記号 発音の仕方 単語
a 口を大きく開けて、「オ」の口の形で「ア」と発音します。 box[bɑ́ks]/hot[hɑ́t]/want[wɑ́nt]
æ 口を大きく開けて(指2本入るくらい)、「ェア」と発音。前舌で舌先を下歯の歯茎の後ろにおく。 cat, Apple, ask, banana, map, happy, black, Saturday, animal, fax
口をo「オ」の形で大きく開き、舌を水をすくうように少し斜め上にあげて「ア-」と発音。palm A(パームエー)とも言われる。 father(fɑ́ːðər, ファーザー, 父), sorry(スアーリィ, ごめん), palm(pɑ́ːm, 手のひら), Box
ʌ 日本語の「ア」と同じ口の形で後舌。ふと虫を見つけて「あ!」という感じ。ダッシュえーともいう。 mud, love, blood, uncle, cup, but, cut , come, country
ə 口をあまり開けずに、弱く曖昧に「ア」と発音。
i 口の縦の開きを最も狭く、唇を最も左右に引き、舌が最も高い位置(前舌)で「イー」と発音 three, it, except[iksépt, build
l 「エ」の口で「エ」と「イ」の中間の音を発音する短母音(エの口を少し縦を小さくしてエと発音する感じ)。舌の位置は前で、高さ/i/より少し低い。 king
e 日本語の「エ」に近い。舌の位置は前で、真ん中の高さ。舌の先端の裏が下歯の最上部と少し触れている感じ。 egg[ég]/head[héd]/says[séz]
ε 日本語の「エ」よりも口をやや大きめに開いて発音する短母音。舌の位置は前で真ん中の高さ。舌の先端を下歯の後ろに置き、舌の側面が歯に触れる感じ。 hair
u 唇をすぼめて「ウー」と発音。後舌で高く移動させて臼歯に触れる感じ。 move, full, cook, could
ʊ 「オ」と「ウ」の中間音。短母音。後舌でやや高く移動させ、臼歯に触れる感じ。 good
o 日本語の「オ」よりも舌の位置を前にして発音。 hello
ɔ 日本語の「ア」と「オ」の中間音。短母音。後舌で高さは中よりやや低い。 all, cost, loss, off

【アルファベット別】発音

a æ:エの口でアと発音(アとエの中間音)
b 閉鎖音。
c ク or ス 閉塞音。Cの後ろにくる母音がo, u, aのときは/k/。i, eのときは/s/になる。
d ドゥ 閉鎖音。
e
f フッ
g 閉鎖音。
h
i
j ジュ
k 閉鎖音。
l 舌を前歯の裏にくっつけたまま発音(Rと区別して発音できるかがとても大事★)。
m
n
o
p 閉鎖音。
q
r ゥル 舌を前歯の裏にくっつけたまま(Lと同じ)、発音と同時に舌全体を喉の奥に向かって引っ張ってあげる感じ。丸めすぎない。(Lと区別して発音できるかがとても大事★)。
s
t トゥ 閉鎖音。
u
v
w ゥワ
x クス
y ィヤ
z

c, f, h, k, p, q, s, tは無声発音

閉鎖音 唇や舌が口内の上部に触れて、息の流れを一旦完全にせき止め、それを解放することで発音。

【その他】2文字、特殊な発音

2文字の組み合わせた場合の発音ルールは以下のとおりです。

2字 発音
ck クッ back(バック)
ch teach(ティーチ)
sh(∫) ship(シップ) ★特に重要
th(θ/ð) ス/ズ this(ズィス) ★特に重要
wh フゥ what(ファット)
ng ング long(ロング)
ph photo(フォト)

【アクセント】主なパターン

音節が2つ以上の単語のアクセントは語形(接頭辞や接尾辞)で判別できるケースが多いです。

派生語の場合

名詞や副詞などは、1音節の単語に接頭辞や接尾辞が付く形が多いです。
その場合は、派生元の名詞と同じ位置にアクセントが置かれることが多いです。
※一部、接尾辞にアクセントを置くケースもあります

【例】
派生元:mind(mind) → iにアクセント
派生先:remind(re・mind) → iにアクセント

名詞・動詞の両方の意味を持つ単語

名詞・動詞の両方の意味を持つ単語は、アクセントの位置によってどちらの品詞がわかります。
名詞は前方、動詞は後方にそれぞれアクセントがあります(名前動後の法則)。

【例】
record(re・cord)・・・名詞(記録)ならe、動詞(記録する)ならoにアクセント

名詞2つ以上で構成

comicbook(comic + book)など、2つ以上の名詞を合体させた1つの単語は、最初の単語にアクセントが置かれる場合が多いです。

comicbook → comicのoにアクセント

接頭辞にアクセントを置く場合

接頭辞を含む語も、接頭辞の直後にアクセントを置く場合は「接頭辞で意味が変わる場合」が多いです。

接頭辞
no- nobody(no – body)
every- everybody(every – body)

※noやeveryにアクセント

接尾辞にアクセントを置く場合

特定の接尾辞は、接尾辞にアクセントが置かれます。

接頭辞
-ee employee(em – ploy – ee)
-teen sixteen(six – teen)
-eer engineer(en – gi – neer)
-ever however(how – ev – er)
-ese japanese(Jap – a – nese)
-self myself(my – self)
-esque picturesque(pic – tur – esque)

接尾辞の直前にアクセントがある場合

以下の接尾辞の場合、その接頭辞の直前にアクセントが置かれるケースが多いです。

接頭辞
-tion station(sta – tion)
-sion decision(de – ci – sion)
-icaa plastic(plas – tic)
-ety society(so – ci – e – ty)
-ity variety(va – ri – e – ty)
-graphy biography(bi – og – ra – phy)
-logy technology(tech – nol – o – gy)
-ence experience(ex – pe – ri – ence)
-ial official(of – fi – cial)
-ual actual(ac – tu – al)
-ious delicious(de – li – cious)
-scious conscious(con – scious)

接頭辞の直後にアクセントを置く

接頭辞の直後にアクセントが置かれる主なケースは以下のとおりです。

接頭辞
de- decay(de – cay)
dis- discover(dis – cover)
pre- prepare(pre – pare)
un- unusual(un – usual)

内容語 + 機能語(内容語にアクセント)

内容語は、「名詞」「形容詞」「副詞」「一般動詞」など、語彙的な意味が中心(文法的な機能がほとんどない)ものです。
機能語は、「冠詞」「代名詞」「前置詞」「助詞」「助動詞」「be動詞」など語彙的な意味をもたない(文法的な機能が中心)の単語です。
英語では、内容語にアクセントが置かれるケースがほとんどです。

【機能語】「弱形」「強形」の発音

機能語(助動詞、Be動詞、人称代名詞、冠詞、接続詞、前置詞、関係詞、関係代名詞など)は、文中で強調する場合をのぞいて弱形と呼ばれる「曖昧で弱く短い発音」を行います。音自体が消えてしまうこともあるため、リスニングでは聞き取りづらいです。

英単語 強形 弱形
as [æz] [əz]
at [æt] [ət]
to [tu:] [tu]/[du]、[tə]/[də]
and [ænd] [ənd]、[ən]
or [ɔ:r] [ər]
for [fɔ:r] [fər]
from [fram] [frəm]
of [av] [əv]、[ə]
I [ai] [əi]
he [hi:] [hi] [i]
his [hiz] [iz]
them [ðem] [ðəm]
can [kæn] [kən]
does [dʌz] [dəz]
some [sʌm] [səm]
where [hweər] [weə(r)]
why [hwai] [waə]
when [hwen] [wen]
who [hu:] [u:]
how [haʊ] [aʊ]
will [wíl] [(w)əl]/[l;]
【英語】機能語の発音は弱形、強形の2つある
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【頻出】よく使うフレーズの発音まとめ

フレーズ 発音方法
I’m(áim, アィンム) 発音記号は「ái」は、二重母音。「a」から「i」へ連続して変化させ、1つの音として話すのがコツ(前の音ははっきりと強く、後ろの音はぼかす)。発音の初めは口を広く開けて、発音の終わりは口を狭くして「アィ」と言う。「m」は、唇を閉じて口から息が出るの止め、「ム」という声を鼻を通して出す。

【連結】リンキング

子音+母音はリンキング(連結)する

【基本1】子音+母音のリンキング

子音+母音はリンキング(連結)します。

パターン
子音 + I(子音+ァイ) that I(ザライ)、Can I(キャナイ)、Should I(シュダイ)、but I(バタイ※アメリカ英語ではバライ)
子音 + is man is(マニズ)、wind is(ウィンディズ)、There is [ðéɚɪz(ゼァリズ)]、there’s [ðéɚz(ゼァズ)]
子音 + if even if (イーヴニフ)、What if (ワティフ)、wonder if (ワンダーリフ)
子音 + are [ɚ] they are (they’re) [ðeɚ(ゼァー)]、there are [ðeərə(ゼァラー)]、here are (here’re) (ヒアラー)、men are(メナー)、women are(ウィミナー)、people are(ピープルァー)、What are(ワター/ワラー)
are + 母音 are in(アーリン)、are on(アールン)、are all(アーロール)
were + 母音 were also(ワーロールソ)、were always(ワーロールウェイズ)
more + 子音 more about (モアラバウ)、、more importan(t) (モアリンポータン)
子音+ y did you([dídʒú / ディヂュー] or [dídjʊ / ディデュー])、could you (クッヂュー)、Don’t you(ドンチュー)、aren’t you (アーンチュー)、made you (メイヂュー)、send you (センヂュー)、sent you (センチュー)
子音 + us asked us (アスクタス)、make us (メイカス)、both of us (ボウソヴァス)
子音 + a once a day (ワンサ)、take a day off (テイカ)、make a reservation (メイカ)、turn away (ターンナウェイ)
子音 + of one of (ワノヴ)、some of (サモヴ)、most of (モゥストヴ)、all of(オーロヴ)、both of (ボウソヴ)※「of」は後ろの「f」が、リンキングしたり、消えたりして聞き取りにくいづらい場合があります。
if + 母音/子音 if I(イファイ)、if you(イフュー)、if we(イフィー)
その他 have already (ハヴォーレディ)、have always (ハヴォールウェイズ)、have all (ハヴォール)、is always (イズォールウェイズ)、been able (ビンネイブル)、been eating (ビンニーティング)

前にある単語の最後の音と、後ろの単語の最初の音が同じ子音であったり似た子音の場合、リンキングします。
特に「t / d / th」同士は、よくリンキングするので重要です。

パターン
t + t want to (ウォントゥー), get to(ゲットゥー), went to(ウェントゥー), that the(ザッザ), with the(ウィッザ)
d + t used to(ユーストゥー), had to(ヘァットゥー), need to(ニートゥー), hard to (ハートゥー), talked to(トークトゥー), wanted to (ウォンティットゥー)※前が「d」、後ろが「t」の場合、後ろの「t」の音になります(後ろの子音が優先)。特に、過去形・過去分詞形の最後が「-ed」で、その後ろに「to」がきた場合、よくリンキングします。よく使う熟語・表現は、会話の文脈から推測できると分かると、連結・消失されていきます。
t/d + th at the(アッザ), found that(ファウンザ), around the world(アラウンザ), let them(レッゼム), what they’re(ワッゼア), and the(アンザ), made the(メイザ)※「the」の前の単語の最後の音が「t / d」の場合、その音は消失します(thの音が優先)
その他 at ten(アッテン), What do you do?(ワッドゥー), hundred dollars(ハンドレッダラーズ),compared to(カンペアートゥー), should take (シュッテイク), get down (ゲッダウン), good day(グッデイ)
b / v / p have been(ハッビン), I’ve been(アイッビン), give birth to(ギッヴァース), top player(トップレイヤー), keep pace with(キーペイス), most of people(モゥストッピープル), bought this(ボーディス)
s/sh/ts is still (イスティル)|I was sure (ワッシュア), Is she(イッシー), was she(ワッシー), it’s so cute (イッソー)
l will learn, feel like, manual labor

アクセントのない「t / d / k / p」の音は、発音されないこと(無声発音なので省略されやすい)が多いです。
上述したように、過去形の「-ed」の「t」音も発音されないため、「-ed」がなかったら、過去形か現在形かぱっと分かりません。これは、文脈とコロケーション(よく一緒に使われる言葉の組み合わせ)から分かるようになります。例えば、「learn」は現在形で使われることは少なく、過去形、現在進行形、未来形で使われることが多いです。「the other day / a few days ago」などの過去を表す語句を伴うことで過去形だと分かることも多いです。
あえて「~をやりました!」と言いたいときは「did + 動詞の原形」にすることが多いので、聞き取りやすいです(逆にdid + 原形がきたらそのようなニュアンスであるとわかります)。

他に「wantとwon’t」はそれぞれ、「want to+原形動詞」で「to」の発音が強くなり、「won’t+原形動詞」の場合、「won’t」の「t」の音は弱く発音されるか、消えやすいです。

【基本2】「t/d」がラ行になる

アクセントでない「t/d」の後ろに母音がくると、tは「ラ行」の発音になります。
これは、早く発音するためにそうなってしまいます。

パターン
単語 little(リロル), pudding(プリン), water(ワールー), getting(ゲリン), later(レイルー)
文章 let i(t) go(レリゴゥ), put it in(プリリン), put it on(プリロン), keep it in(キーピリン), run out of(ラナウロヴ), not a(ノラ), not at all(ナラロー), not only(ノロンリー), but also(バロルソー), white on(ホワイロン), what I(ワライ), out of work(アウロヴ), skate of(スケイロヴ), it is(イリズ)

【基本3】消失して連結するパターン

前の単語の語末の「t / d」が消え、その「t / d」の前にある子音と、後ろの単語の子音・母音とリンキングします。

パターン
(例)an(d) I (アナイ) 「and」の「d」が消失し、その前にある「n」の音と、次の単語の音「I [ai]」がリンキングして「アナイ」になります
n + 子音 + 母音 子音(t/d/th/gなど)が消えて「n 母音」で連結します。an(d) i(t) (アニ), isn'(t) i(t)(イズニ), doesn'(t) i(t) (ダズニ), wasn'(t) able(ワズンネイブル), kin(d) of [kάɪnəv / カイノブ], amoun(t) of [əmάʊnəv / アマウノヴ], talkin(g) abou(t) [tɔ́kɪŋəbάʊt / トーキナバウ], don'(t) eat [d’əʊníːt / ドンニート], don'(t) accept [d’əʊnæksépt / ドンナクセプト], won'(t) accept [w’əʊnæksépt / ウォナクセプト], won'(t) I [w’əʊnai / ウォナイ], managemen(t) is [マネジメンニズ], shipmen(t) is [シップメンニズ], differen(t) item [ディッファレンナイテム]
-st + s」で「t」の音が消えて「-s s-」で連結 mus(t) stop (マスタップ), nex(t) stop (ネクスタップ), nex(t) Saturday (ネクッサタデイ), touris(t) shop (トゥアリショップ), firs(t) step (ファーステップ), firs(t) store (ファーストァー)

【基本4】頻出表現は1つの単語のように発音される

よく使う表現は、1つの単語であるかのような認識になるため、高速で発音されるためリンキングは発生します。

パターン
you an(d) me(ユーエンミー), black an(d) white (ブラックァンワイト), cats and dogs (キャッツンドーッグズ), fish an(d) chips (フィッシャンチップス), rich an(d) poor (リッチャンプア), knife an(d) fork (ナイファンフォーク)
an/as have an idea (ハヴァナイディア), have an appointment (ハヴァナポインメント), in an accident (イナンナクシデント), on an express train (ァナンニクスプレス), as soon as (アッスーナズ), are as follows (アーラズファロウズ)
have Now that I’ve found (ナウザライッファウンド), I’ve been eating (アイッビニーティン), have brought about (ハッブロータバウ)
one of 代名詞 one o(f) my friends (ワノマイ), one of our family (ワノヴァー)
send an e-mail (センダンニーメイル), all of our (オーロヴァ), those are in (ゾゥザーリン)
【英語】リンキング(連結)
英語の発音におけるリンキング(連結)についてまとめました。 【基本1】子音+母音のリンキング 子音+母音はリンキング(連結)します。 パターン 例 子音 + I(子音+ァイ) that I(ザライ)、Can I(キャナイ)、Should I...

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