システムの性能指標、システムの性能特性と評価、システムの信頼性・経済性の意義と目的、信頼性計算、信頼性指標、信頼性特性と評価、経済性の評価,キャパシティプランニングについてまとめました。
【システムの性能指標】
用語 | 概要 |
---|---|
ターンアラウンドタイム | システムに処理要求を送ってから、結果の出力が完了するまでの時間(処理待ち時間+CPU時間+入出力時間)。 |
処理待ち時間 | ジョブの開始から終了までの間にCPUが動いていない時間(ターンアラウンドタイム-CPU時間-入出力時間)。 |
【システムの性能特性と評価】
【システムの信頼性・経済性の意義と目的】
【信頼性計算】
用語 | 概要 |
---|---|
稼働率 | 稼働率Raの機器A、稼働率Rbの機器Bがあるとする。2つの機器が直列接続されている場合の全体の稼働率は「Ra×Rb」、並列で接続されている場合では「1-(1-Ra)(1-Rb)」となる。 |
【信頼性指標】MTBF、MTTR
– | 信頼性指標 |
---|---|
平均故障間隔(MTBF:Mean Time Between Failures) | システムの故障と故障の間の平均時間。 ※MTBFが大きい・・・稼働時間が長く、信頼性が高い |
平均修理時間(MTTR:Mean Time To Repair) | システムの復旧・修理にかかる平均時間。 ※MTBFが小さい・・・復旧・修理が早く、信頼性が高い 【改善方法】エラーログの取得、命令トレース機能、遠隔保守、保守部門の分散配置など |
計算例
(問)MTBFが45時間でMTTRが5時間の装置を2直列に接続したシステムの稼働率は幾らか。
(解)装置単体での稼働率 = MTBF/(MTBF+MTTR)=45/(45+5)=0.9
稼働率Pの機器2つを直列に接続したときの稼働率Pは
P=0.9 * 0.9 = 0.81
【信頼性特性と評価】
【経済性の評価】
【キャパシティプランニング】
キャパシティプランニングとは、情報システムの設計段階において、現状の最大負荷だけでなく将来予測される最大負荷時にもサービスの水準を維持できる設計を検討することで、適切なハードウェアを選定して最適な投資を行うことができます。検討する対象項目は、CPUの性能、回線速度、経済性、拡張性などです。
– | キャパシティプランニングの手順 |
---|---|
1 | 現行システムをモニタリングし現状の処理能力を把握 |
2 | 将来的に予測される端末の増加、利用者数の増加などを分析 |
3 | 分析結果からシステム能力の限界時期を予測 |
4 | 新たなシステム構成で実現すべき性能要件から必要なハードウェア増設を検討 |
【例題】応用情報技術者試験 平成26年秋期 問13
(応用情報技術者試験 平成26年秋期 問13)
次の条件で運転するクライアントサーバシステムにおいて、ネットワークに必要な転送速度は最低何ビット/秒か。
〔条件〕
・トランザクション1件の平均的な処理は、CPU命令300万ステップとデータ入出力40回で構成され、ネットワークで転送されるデータは送受信それぞれ1,000バイトである。
・サーバでのCPU命令1ステップの平均実行時間は300ナノ秒である。
・データ入出力は1回平均20ミリ秒で処理されている。
・1バイトは8ビットとする。
・クライアントにおけるデータの送信開始から受信完了までに許容される時間は2.5秒である。
・サーバは1CPU、1コアで構成されている。・
待ち時間及び、その他のオーバヘッドは考慮しない。
【解答例】
●トランザクション1回あたりのCPU命令の時間を計算すると以下のようになります。
300万ステップ×300ナノ秒=900ミリ秒
●トランザクション1回あたりのデータ入出力の時間を計算すると以下のようになります。
20ミリ秒×40回=800ミリ秒
●トランザクション1回あたりのサーバでの処理時間は1.7秒となります。
よって、「クライアントからサーバ」「サーバからクライアント」のデータ送受信には2.5秒-1.7秒=0.8秒だけの時間が与えられます。
●データ転送量は、トランザクション1件につき送信と受信でそれぞれ1,000バイトなので合計2,000バイト(16,000ビット)となります。
許容時間内に受信完了までを終えるために必要な転送速度は、16,000ビット÷0.8秒=20,000ビット/秒となります。
【例題】応用情報技術者試験 平成12年春期 問68
照会業務を行うクライアントサーバ型のオンラインリアルタイムシステムが,次の条件で稼働するとき,サーバ側の応答時間は何ミリ秒程度か。ここで,
サーバ側の応答時間は,クライアントからデータを受け取ってから処理結果を返すまでとする。
〔条件〕
(1) CPU 性能:1MIPS
(2) ハードディスク性能:30 ミリ秒/回(待ち時間を含むアクセス時間)
(3) 端末会話制御の CPU 走行ステップ数(上り電文と下り電文の両者を処
理する):20k ステップ
(4) 照会業務の CPU 走行ステップ数:30k ステップ
(5) 照会業務のハードディスク平均アクセス回数:2 回
(6) 端末会話制御と照会業務は別タスクであるが,タスク間のオーバヘッド
は無視できるものとする。
(7) 各タスク間の処理待ち時間は無視する。
【解答】
1MIPS=100万ステップ/秒=1000kステップ/秒
よって
20kステップの処理時間=20ミリ秒
30kステップの処理時間=30ミリ秒
ハードディスク2回アクセスの処理時間=30ミリ秒×2=60ミリ秒
よって、全体の処理時間(応答時間)は3つの処理時間の合計110ミリ秒
コメント